愛知県の鉱山一覧について
このページでは愛知県の鉱山一覧についてまとめています。
鉱山の名称については書籍などに記載されているものを使用し、住所についてもその記載時の地名を用いています。そのため現在の住所とは違う場合が有ります。
鉱山についても鉱物が採掘された情報を元に記載をしているので、複数の鉱物が採掘されていた場合は複数の鉱物の項目で同じ鉱山が記載されている場合が有ります。また主に採掘されていた鉱物以外としても記載されている場合が有ります。
愛知県の鉱山の概要
愛知県は比較的鉱山の少ない地域となっていますが、津具鉱山や北設楽郡のマンガン鉱山、瀬戸市周辺の粘土などが有ります。また、豊橋市には豊橋市地下資源館もあり地下資源に関連するものを展示しています。
津具金山
津具金山は愛知県北設楽郡設楽町に有った金鉱山です。
古くは1570年頃に武田信玄が発見したとされ、ここから採掘された金を軍資金にしたとされています。
その後はしばらく放棄され、明治から大正にかけ複数の手に渡り採掘を行ったようですが、目立った成果は無かったと見られています。
昭和に入り津具金山株式会社が立ちあげられ大規模に開発が行われ、最盛期には30以上の坑道が有り、総延長は6000メートルにも及びました。
昭和33年頃に経営が行き詰まり閉山となりました。
北設楽郡のマンガン鉱山
愛知県の北設楽郡にはマンガンの鉱床があり、複数のマンガン鉱山が採掘を行いました。
中でも田口鉱山は比較的大きかったようです。
田口鉱山は明治末期から大正年間にかけて二酸化マンガンを採掘され、第二次世界大戦中にも探鉱されましたが採掘には至らず一時は休山となりましたが、その後の昭和28年ごろに開発が行われマンガンの採掘が行われました。
田口鉱山は非常に綺麗なパイロクスマンガン鉱が採取できることで、鉱物ファンには知られていますが、現在は立入禁止となっています。
瀬戸市周辺の粘土
瀬戸市周辺は良質な粘土が取れる地域で、これを利用して瀬戸物の産業が発展しました。
瀬戸物の原材料は、瀬戸市周辺にある瀬戸層群からの「木節粘土」や「蛙目粘土」などの良質な粘土を使用しています。
現在も耐火粘土などを目的に粘土採掘が行われており、瀬戸市の中心には大規模な露天掘り鉱山跡が残り、瀬戸キャニオンとも呼ばれています。
豊橋市地下資源館
豊橋市には地下資源や鉱石やエネルギーについて展示している豊橋市地下資源館が有ります。
こちらでは世界の鉱物の展示の他、三重県の紀州鉱山の坑道を模した造りになっており、鉱山で使用したバッテリーロコ、ナベトロ、鉱夫の人形などが展示されています。
金・銀が採掘された鉱山
津具鉱山 愛知県北設楽郡下津具村・上津具村
古くから金山と知られており、昭和9年より津具鉱業株式会社により開発。
1955年時点で既知の鉱体は採掘済みで、残鉱石処理していたとの事。
凝灰岩中の石英脈から、自然金、磁硫鉄鉱、閃亜鉛鉱、黄鉄鉱、方鉛鉱、黄銅鉱、自然銀、輝安鉱、辰砂、石英など多くの鉱物が取れた。
鉱脈は1つで、幅が0.1~1m。延長は800m。金の品位は鉱石1トン当たり7.1g、銀は1トン当たり18.5gの記録が有る。
1953年には鉱石を月に100トン採掘していた。
銅・鉛・亜鉛が採掘された鉱山
吉田鉱山 愛知県八名郡山吉田村下吉田
宗田作一氏により稼行されていた鉱山。
古生代の粘板岩と砂岩中の鉱脈から、黄銅鉱、黄鉄鉱、石英を採掘していた。
鉱脈の幅は約0.2m。
水銀が採掘された鉱山
津具鉱山 愛知県北設楽郡下津具村・上津具村
鉱床は金銀鉱・アンチモン鉱を主として、一部に微量な水銀鉱を伴っていた。
水銀の品位は0.1%の記録が有る。鉱山としての詳細は金鉱山項目の津具鉱山にて。
マンガンが採掘された鉱山
白鳥鉱山 愛知県北設楽郡下津具村白烏山
炭マン、バラ輝石、テフロ石などが採掘された。
田口鉱山 愛知県北設楽郡田口町八橋
三友公司氏と正和産業により稼行されたマンガン鉱山。
品位70%の二酸化マンガン119トン、品位26~36%のマンガン4,134トン産出の記録有。
昭和24年からは正和産業株式会社が開発に当たり、昭和30年までに品位32%のマンガン鉱石1.8万トン生産した。
八橋鉱山 愛知県北設楽郡田口町八橋
上記、田口鉱山の一部もしくは一体的に採掘を行った可能性あり。
共栄鉱山 愛知県北設楽郡名倉村
内藤政夫氏により稼行されたマンガン鉱山。
段戸鉱山 愛知県北設楽郡段嶺村田嶺
大新鉱業により稼行されたマンガン鉱山。
興亜鉱山(興和鉱山) 愛知県北設楽郡段嶺村田嶺
福田誠蔵氏により稼行されたマンガン鉱山。
良長鉱山 愛知県南設楽郡長篠村
岡本弥四郎氏により稼行されたマンガン鉱山。
宝鉱山 愛知県宝飯郡荻村
大長平吉氏と鈴木柱三氏により稼行されたマンガン鉱山。
品位25~30%のマンガン鉱石を550トン産出したとの記録が有る。
三河鉱山(西幡豆鉱山) 愛知県幡豆郡幡豆町
浅井佐七氏により稼行されたマンガン鉱山。
旧西幡豆鉱山。
鳥羽鉱山 愛知県幡豆郡幡豆町
1943年から49年にかけてマンガン鉱石、1,128トンの生産記録有。
横幡鉱山 愛知県幡豆郡幡豆町鳥羽から横須賀村にかけて
永谷梏一氏により稼行されたマンガン鉱山。
品位25~30%のマンガン鉱石を878トン産出したとの記録が有る。
栗栖鉱山 愛知県丹羽郡城東村栗栖
吉田清平氏と高尾繁太郎氏により稼行されていたマンガン鉱山。
現在も遊歩道脇に坑道が残されている。
一二三鉱山 愛知県丹羽郡城東村栗栖
堀田金一氏により稼行されていたマンガン鉱山。
品位33%のマンガンを29トン産出したとの記録が有る。
鋳文字屋鉱山 愛知県東春日井郡坂下町
東海満俺により稼行されていたマンガン鉱山。
西尾鉱山 愛知県東春日井郡坂下町
辻中鉱業により稼行されていたマンガン鉱山。
丸二鉱山 愛知県東春日井郡坂下町
外巳原鉱山 愛知県東春日井郡高蔵寺町
風岡由太郎氏により稼行されていたマンガン鉱山。
アンチモンが採掘された鉱山
津具鉱山 愛知県北設楽郡下津具村字大桑
アンチモンと金など採掘されており、アンチモンの品位は2%、金の品位は1トン当たり7グラムの記録が有る。鉱山としての詳細は金鉱山項目の津具鉱山にて。
稲目鉱山 愛知県北設楽郡振草村大字上栗代
津具鉱業株式会社により稼行が行われた鉱山です。
角礫凝灰岩の中の粘土脈から、硫砒鉄鉱、輝安鉱などが採掘された。
ニッケルが採掘された鉱山
山吉田鉱山 愛知県八名郡山吉田村
流紋岩の風化した残留鉱床から、ニッケルを含む粘土を採掘した。
ニッケルの品位は0.5~0.6%の記録が有る。
アルミニウムが採掘された鉱山
高蔵寺白土鉱山 愛知県東春日井郡高蔵寺町松本
洪積層中の白色粘土層に酸化アルミニウムや二酸化ケイ素が含まれていた。
酸化アルミニウムの品位は37.2%、二酸化ケイ素は38.7%の記録が有る。
戦時中に出鉱準備を行っていた。
絹雲母(セリサイト)が採掘された鉱山
振草鉱山 愛知県北設楽郡栗代村
津具鉱山 愛知県北設楽郡上津具村、下津具村
蛭石(バーミキュライト)が採掘された鉱山
鉱山名不明 愛知県南設楽郡新城町付近
亜炭が採掘された鉱山(炭鉱)
芝炭鉱 愛知県東春日井郡高蔵寺町・坂下町・篠木町
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