佐賀県の鉱山一覧

佐賀県の鉱山一覧について

このページでは佐賀県の鉱山一覧についてまとめています。
鉱山の名称については書籍などに記載されているものを使用し、住所についてもその記載時の地名を用いています。そのため現在の住所とは違う場合が有ります。

鉱山についても鉱物が採掘された情報を元に記載をしているので、複数の鉱物が採掘されていた場合は複数の鉱物の項目で同じ鉱山が記載されている場合が有ります。また主に採掘されていた鉱物以外としても記載されている場合が有ります。

日本地質学会では佐賀県の石に『陶石』を、佐賀県の鉱物に『緑柱石(ベリル)』を認定しています。
陶石は佐賀県の代表的な地下資源で磁器の材料となり、緑柱石は佐賀市富士町杉山のペグマタイトに含まれています。

佐賀県の鉱山の概要

佐賀県は比較的金属鉱山が少ないですが、唐津炭田や陶石を採掘している鉱山が見られます。

唐津炭田

唐津炭田は佐賀県北部から西部にかけて存在した炭鉱の総称で、多久市、大町町、唐津市などに炭鉱が存在しました。相知層群の芳ノ谷層、杵島層群の箞木層や杵島層が主な炭層となっています。

古くは江戸時代から小規模な石炭採掘が行われ、幕末になると各藩や幕府が運営に携わりました。

主な炭鉱には大町町の杵島炭鉱、多久市の明治佐賀炭鉱、三菱古賀山炭鉱があり、最盛期には50以上の炭鉱が採掘を行っていました。しかし、海外からの安価な石炭に押されて、1970年代にはすべての炭坑が閉山しました。

泉山磁石場

有田町周辺では陶磁器の原料となる陶石を採掘している鉱山が有りました。
有名な物には現在国の指定史跡になっている『泉山磁石場』が有ります。

『泉山磁石場』は17世紀の初めに朝鮮人陶工である李参平(日本では金ヶ江三兵衛と名乗る)らが、佐賀県西松浦郡有田町泉山で磁器の原料である良質な陶石を発見し採掘を行い、磁器を作ったことで有田焼が生まれました。

その後は約400年にわたって有田焼の原料として採掘されましたが、現在は採掘が終了しています。『泉山磁石場』は内山、外山、大外山に区分されており、露天掘り跡や坑道掘りの跡が残されています。

金・銀が採掘された鉱山

有田鉱山(古木場鉱山) 佐賀県西松浦郡有田町古木場
安本銀三九氏により稼行された鉱山。詳細は不明。
なお、安本銀三九氏は大正9年に「串木野鉱山報告」を作っており、同じ人物だとしたら鉱山の稼行は明治後期から大正および昭和初期と思われる。

マンガンが採掘された鉱山

厳木鉱山(厳木鉱山マンガン鉱山) 佐賀県東松浦郡厳木村笹原
秋吉与三郎氏によって稼行されたマンガン鉱山。
厳木駅の南東約2キロの、厳木川の南岸に位置していた。
露頭、旧坑、新坑で採掘が行われていた。
日本地方鉱床誌にはNiのマークが有るので、ニッケルも採取していた可能性あり。
付近にはクロム鉱山として「厳木鉱山」が有るが、日本地方鉱床誌の図には3キロほど離れて書かれているので別鉱山。

クロムが採掘された鉱山

平之鉱山 佐賀県東松浦郡相知町および厳木町
厳木駅の北約4キロに位置している。
橄欖岩および蛇紋岩の中に、墨流し状に含まれるクロム鉱物を採掘していました。
南国鉱業株式会社により採掘され、1940年の時点では稼行中であったとの事です。

厳木鉱山(厳木クロム鉱山) 佐賀県東松浦郡相知町段木および厳木町鶴
マンガン鉱山の巌木鉱山と同じ名称だが別鉱山。
明治鉱業株式会社により稼行されていましたが、1935年には休山となっていた様です。
蛇紋岩の中に有るクロム鉄鉱を含む鉱石を採掘していました。巌木鉱山のクロムの鉱脈は、塊状・芋状・レンズ状・脈状と様々な形をしていたと書かれています。

石炭が採掘された鉱山(炭鉱)

北波多炭鉱 佐賀県東松浦郡北波多村
住友石炭砿業株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和25年(1950年)創業開始。

立川炭鉱 佐賀県伊万里市大川町立川
大日鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和11年(1936年)操業開始。

岸山炭鉱 佐賀県東松浦郡北波多村大字岸山
新唐津炭砿株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和30年(1955年)操業開始。

杵島炭鉱 佐賀県杵島郡大町町大字福母
杵島炭砿株式会社により稼行されていた鉱山。

杵島炭坑は、高島炭鉱の取締役などを務めた高取伊好氏により、幕末から明治期に開発された小規模炭鉱を統合し、明治42年に操業されました。経営は杵島炭礦株式会社の後に、住友石炭へと代わりました。

主力の坑道で有った3坑は大正15年、4坑は昭和4年、5坑は昭和18年に開発された。
国内の燃料が石炭から石油に代わり、その煽りを受け昭和44年には閉山となっています。

産業遺産として、石炭搬出の為に建造された坑道の坑口である「旧杵島炭鉱大鶴鉱業所第二坑口」は登録有形文化財に指定されています。

小城炭鉱 佐賀県多久市東多久町
山口鉱山株式会社により、昭和15年(1940年)に操業開始。

明治佐賀炭鉱 佐賀県多久市東多久町
明治鉱業株式会社により、昭和24年(1949年)に操業開始。

新屋敷炭鉱 佐賀県東松浦郡厳木町岩屋
日満鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和14年(1939年)開発開始。

古賀山炭鉱 佐賀県多久市北多久町大字小侍
三菱鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和23年(1948年)操業開始。

西杵炭鉱 佐賀県杵島郡北方町大字大崎
明治鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和13年(1938年)操業開始。

立山炭鉱 佐賀県多久市北多久町大字小侍
明治鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和18年(1943年)操業開始。

岩屋炭鉱 佐賀県東松浦郡厳木町本山
高倉鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
大正2年(1913年)に開坑。

北方炭鉱 佐賀県杵島群北方町大字志久
杵島炭砿株式会社により稼行されていた鉱山。
東坑は昭和15年(1940年)に開発。
西坑は昭和19年に開発。

大鶴炭鉱 佐賀県東松浦郡入野村鶴牧
佐世保炭田に属する鉱山。
杵島炭鉱株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和11年(1936年)操業開始。中里層、相浦相の炭層から採掘。

久原炭鉱 佐賀県伊万里市山代町久原
佐世保炭田に属する鉱山。
麻生産業株式会社により稼行されていた鉱山。
昭和19年(1944年)操業開始。世知原層、柚木上層、柚木下層、中里層の炭層から採掘した。

向山炭鉱 佐賀県伊万里市山代町西分
佐世保炭田に属する鉱山。
向山鉱山株式会社により稼行されていた鉱山。
大正6年(1917年)開発。福井一枚層、下三枚炭層の炭層から採掘した。

 

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