鳥取県の鉱山一覧について
このページでは鳥取県の鉱山一覧についてまとめています。
鉱山の名称については書籍などに記載されているものを使用し、住所についてもその記載時の地名を用いています。そのため現在の住所とは違う場合が有ります。
鉱山についても鉱物が採掘された情報を元に記載をしているので、複数の鉱物が採掘されていた場合は複数の鉱物の項目で同じ鉱山が記載されている場合が有ります。また主に採掘されていた鉱物以外としても記載されている場合が有ります。
鳥取県の鉱山の概要
鳥取県は鉱山の数は比較的少ないですが、古くから金などの採掘が行われていたほか、ウラン鉱山としての人形峠なども有名となっています。
鳥取県の代表的な鉱山には岩美鉱山(荒川鉱山)、若松鉱山、人形峠のウラン鉱山などが有ります。
岩美鉱山(荒川鉱山)
岩美鉱山(荒川鉱山)は鳥取県岩美町に位置した銅鉱山で、銅以外にも金、銀、鉛、亜鉛などを採掘していました。
古くは698年に文武天皇に銅を献上したとの記録が有り、日本最古の鉱山とも言われています。
近年では明治22に年に銅の露頭が発見され、大規模に開発されました。
しかし、鉱山からの排水により周囲の川が汚染され、現在も坑道から流れ出る排水の中和作業が行われています。
若松鉱山
若松鉱山は鳥取県日野郡日南町に位置したクロム鉱山で、明治30年代から1996年にかけて採掘が行われていました。この地域は日本でも最も古い時代からクロムの採掘が行われていました。
1920年代から1945年頃にかけては、全国のクロムの40%以上を若松鉱山が占めていました。
人形峠のウラン鉱山
人形峠のウラン鉱床は広範囲に広がっており、現在施設の大半は岡山県側に有りますが、調査隊が最初にウランの露頭を発見したのは人形峠の峠から鳥取側に入った道路脇となっています。露頭発見地点の鳥取県東伯郡三朝町には、ウラン鉱床露頭発見の地碑が立っています。
人形峠付近における鳥取県のウラン鉱床には、人形峠鉱床、神ノ倉鉱床、鉛山鉱床、檜谷鉱床などが有ります。
金・銀が採掘された鉱山
平床鉱山 鳥取県東伯郡本郷町(旧花見村)長和田
神波浩済氏により稼行されていた鉱山。
1953年時点で探鉱中。
1953年に鉱石1トンを採掘し、金の品位が1トン当たり4グラム、銀が1トン当たり180g。
大倉鉱山 鳥取県日野郡石見村中石見
吉本鉱業により稼行されていた鉱山。
1953年に月あたり15トンの鉱石を生産し、金の品位が1トン当たり5グラム、銀が1トン当た490g。
銅・鉛・亜鉛が採掘された鉱山
岩美鉱山 鳥取県岩美郡岩美町(旧小田村)荒金
日本鉱業株式会社により稼行された鉱山。
1890年に発見された。
鉱石からの製鉱のほか沈澱銅の採取も行っていた。
1954年には月に140トンの鉱石を生産した。
大宝鉱山 鳥取県岩美郡岩美町(旧小田村)荒金
小寺四郎氏により稼行されていた鉱山。
1918年に開発され1954年には月に50トンの鉱石を生産していた。
沈澱銅も少量ながら採取していた。
池谷鉱山 鳥取県岩美郡岩美町(旧小田村)池谷、佐阪
鉱脈の銅品位は0.5%の記録が有る。
成器鉱山 鳥取県岩美郡大成村(旧成器村)・八頭郡上私都村
新鉱業開発株式会社により稼行されていた鉱山。
1941年より休山中。
百谷鉱山 鳥取県鳥取市百谷
日本黒鉛鉱業株式会社により稼行された鉱山。
岩美鉱山の支山として採掘が行われた。
1918年から19年にかけて盛況であり、1923年には久原鉱業が経営していた。
円護寺鉱山 鳥取県鳥取市円護寺
1943年から44年にかけて採鉱された。
金盛鉱山 鳥取県八頭郡上私都村・丹比村
銅の品位が1~2%の記録が有る。
山志谷鉱山(八頭鉱山、金山鉱山) 取県八頭郡上私都村麻生、山志谷
関屋栄次郎氏により稼行されていた鉱山。
1871年に開坑された。
銅の品位が3~4%の記録が有る。
金足鉱山 鳥取県八頭郡那智頭町(旧山形村)八河谷
1940年に採鉱が始まった鉱山。
藤野浩平氏により稼行されていた鉱山。
銅の品位は低品位との事
日田鉱山(天恵鉱山) 鳥取県八頭郡那丹比村日田
1885年に開坑された鉱山で、近年では1916年から1919年に稼行された。
小鴨鉱山 鳥取県倉吉市(旧小鴨村)菅原
石坂清福氏により稼行されていた鉱山。
1945年ごろに稼行し、ウラン鉱物を探鉱したことも有る。
後谷鉱山 鳥取県日野郡根雨町金持
広岡寅治氏により稼行されていた鉱山。
1937年から1938年に亜鉛鉱36トン、1943年から44年に鉛鉱を7トン、1951年に銅鉱200トンと亜鉛鉱2180トンを採掘した記録が有る。
大倉鉱山 鳥取県日野郡石見村中石見
吉本鉱業により稼行されていた鉱山。
福栄鉱山 鳥取県日野郡福栄村福塚・神福
きわめて古い年代に盛大に稼行されたとの記録が有る。
黄銅鉱、磁鉄鉱、柘榴石、スカルン鉱物を採掘した。
鉄が採掘された鉱山
宝木鉱山 鳥取県気高郡宝木村
浜砂鉄鉱床で鉱床の厚さは2メートル。
品位15~20%の磁鉄鉱を採取していた。
酒津鉱山 鳥取県気高郡酒津村
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
上井鉱山 鳥取県東伯郡倉吉市
石英粗面岩中のレンズ状の鉱脈から、磁鉄鉱、赤鉄鉱、柘榴石などが採取された。
泊鉱山 鳥取県東伯郡泊村
戦時中に稼行していた鉱山。
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
下北條鉱山 鳥取県東伯郡下北条村
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
由良鉱山 鳥取県東伯郡由良町
浜砂鉄鉱床で鉱床の厚さは2メートル。
品位57%の磁鉄鉱を採取していた。
八橋鉱山 鳥取県東伯郡八橋町
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
赤碕鉱山 鳥取県東伯郡赤碕町
戦時中に稼行していた鉱山。
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
光徳鉱山 鳥取県西伯郡光徳村
戦時中に稼行していた鉱山。
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
品位50%の磁鉄鉱を採取していた。
淀江鉱山 鳥取県西伯郡淀江町
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
品位は48%との記録が有る。
日吉津鉱山 鳥取県西伯郡日吉津村
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
品位は50%との記録が有る。
日野川鉱山 鳥取県西伯郡春日村
砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
彦名鉱山 鳥取県西伯郡彦名村
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
品位は50%との記録が有る。
米子鉱山 鳥取県西伯郡彦名村
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
三ツ柳鉱山 鳥取県西伯郡彦名村
浜砂鉄鉱床で磁鉄鉱を採取していた。
上萩鉱山 鳥取県日野郡多里村
花崗岩中の鉱脈から赤鉄鉱を採掘した。
品位は50%の記録が有る。
本格的な稼行はされなかったとの事。
マンガンが採掘された鉱山
糸白見鉱山 鳥取県八頭郡若桜町糸白見
藤原彦覇輝氏により稼行されていた鉱山。
品位33%のマンガンを採掘していた。
第二糸白見鉱山 鳥取県八頭郡大伊村下野寺前
藤原彦覇輝氏により稼行されていた鉱山。
品位33~35%のマンガンを235トン生産した。
因幡大伊鉱山 鳥取県八頭郡大伊村
中村峯造氏により稼行されていた鉱山。
二酸化マンガンとマンガンを採掘した。
大伊谷鉱山 鳥取県八頭郡船岡町下野
川島鉱業により稼行されていた鉱山。
品位30~34%のマンガンを2923トン生産した。
因幡峯春鉱山 鳥取県八頭郡大伊村
品位33%のマンガンを採掘していた。
第三糸白見鉱山 鳥取県八頭郡佐治村尾際
藤原彦覇輝氏と上田正夫氏により稼行されていた鉱山。
品位40~42%のマンガンを2890トン生産した。
神与鉱山 鳥取県八頭郡佐治町・用瀬町
西角昌義氏により稼行されていた鉱山。
大村鉱山 鳥取県八頭郡用瀬町大村
松下鉱業と辻中鉱業により稼行されていた鉱山。
二酸化マンガンとマンガンを採掘していた。
佐竹鉱山 鳥取県八頭郡用瀬町大村
渡土捨松氏により稼行されていた鉱山。
品位75%の二酸化マンガンと品位34%のマンガンを採掘していた。
水谷鉱山 鳥取県八頭郡社村山口
中村峯造氏と昭和興業により稼行されていた鉱山。
品位37%のマンガンを3437トン生産した。
因幡社鉱山 鳥取県八頭郡社村から智頭町
中村峯造氏により稼行されていた鉱山。
因幡社水谷鉱山 鳥取県八頭郡社村
中村峯造氏により稼行されていた鉱山。
智頭鉱山 鳥取県八頭郡智頭町上板井原
武田貞夫氏と常光産業により稼行されたマンガン鉱山。
品位30%のマンガンを913トン生産した。
中谷満俺鉱山 鳥取県八頭郡智頭町毛谷
品位25~30%のマンガンを913トン生産した。
クロムが採掘された鉱山
若松鉱山 鳥取県日野郡多里村
日本格魯謨鉱業株式会社により稼行された鉱山。
日本を代表するクロム鉱山となっています。
1899年二発見され。1937年には3476トン、1938年には4440トンの鉱石を生産していた。
広瀬鉱山 鳥取県日野郡多里村
広瀬安次氏により稼行された鉱山。
1907年に発見され、1937年には4127トン、1938年には5200トンの鉱石を出鉱した。
日野上鉱山 鳥取県日野郡日野上村
日鉄鉱業株式会社により稼行された鉱山。
1954年時点で休山。
1937年には2310トン、1938年には3000トンの鉱石を出鉱した。
稲積鉱山 鳥取県日野郡日野上村
日鉄鉱業株式会社により稼行された鉱山。1938年までに3000トンの鉱石を出鉱した。
大江鉱山 鳥取県日野郡日野上村
日鉄鉱業株式会社により稼行された鉱山。
1939年9月当時探鉱中との事。
モリブデンが採掘された鉱山
金足鉱山 鳥取県八頭郡智頭町八河谷
輝水鉛鉱を採掘していた。
硫化モリブデンの品位は0.4%。
関金鉱山 鳥取県東伯郡関金町(旧矢送村)山口
タンガロイ工業株式会社により稼行されていた鉱山。
1943年から4年にかけても稼行されていた。
輝水鉛鉱を採掘していた。
硫化モリブデンの品位は0.1%。
高城山鉱山 鳥取県倉敷市
黒雲母花崗岩中の石英脈から輝水鉛鉱を採掘していた。
タングステンが採掘された鉱山
関金鉱山 鳥取県東伯郡関金町C
タンガロイ工業株式会社により稼行されていた鉱山。
鉄マンガン重石、輝水鉛鉱、黄鉄鉱が採掘された。
酸化タングステン(VI)の品位は0.5~1%、酸化カリウムの日には最大5.72%
鈴鹿鉱山 鳥取県八頭郡山郷村中原の南方4Km
1931年から32年までは横屋幸氏により、その後1945年8月まで岡崎万次郎氏により稼行されていた鉱山。
酸化タングステン(VI)の品位は0.5~20%の記録が有る。
西谷鉱山 鳥取県八頭郡山郷村中原
花崗岩中の石英銅タングステン鉱脈から、石英、重石、黄銅鉱、硫砒鉄鉱などが採掘された。
笹ヶ瀬鉱山 島根県鹿足郡日原町
田中庄一郎氏により稼行されていた鉱山。
古生層中の石英脈から石英、鉄マンガン重石、白雲母などが採掘された。
アルミニウムが採掘された鉱山
倉吉鉱山 鳥取県東伯郡倉吉町
粘土層から酸化アルミニウムや二酸化ケイ素を採取した。
戦時中は中国産の軽銀大山工場で稼行準備を行ったとの記録が有る。
硫化鉄が採掘された鉱山
雨滝鉱山 鳥取県岩美郡大茅村字雨滝
雨滝集落の北西1キロの場所に位置した。
安山中の黄鉄鉱および方解石の網状鉱脈から、酸化鉄を採掘していた。
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