富山県の鉱山一覧

富山県の鉱山一覧について

このページでは富山県の鉱山一覧についてまとめています。
鉱山の名称については書籍などに記載されているものを使用し、住所についてもその記載時の地名を用いています。そのため現在の住所とは違う場合が有ります。

鉱山についても鉱物が採掘された情報を元に記載をしているので、複数の鉱物が採掘されていた場合は複数の鉱物の項目で同じ鉱山が記載されている場合が有ります。また主に採掘されていた鉱物以外としても記載されている場合が有ります。

富山県の鉱山の概要

富山県は鉱山の数は多くありませんが、古くから金の採掘が盛んであり、加賀百万石と言われた加賀藩の財政を支えていました。また、北アルプス付近ではモリブデンも採掘されました。

越中の七かね山(越中七加祢山)

特に越中には7つの金鉱山があり、「越中の七かね山(越中七加祢山)」と言われています。
「越中の七かね山」は松倉鉱山、河原波鉱山、下田鉱山、虎谷鉱山、吉野鉱山、亀谷鉱山、長棟鉱山の7つと言われています。

富山県のモリブデン鉱山

また北アルプスではモリブデンを含む輝水鉛鉱が取れた事から、小黒部鉱山や大東鉱山等が採掘を行っていました。山地に有ったためアクセスが難しい他、過酷な労働環境でも有ったようですが、第二次世界大戦中の素材不足の際には稼行が行われて居ました。
特に小黒部鉱山は1917年には日本のモリブデン生産の76%を占めていたとされています。

剱岳の池ノ平小屋は小黒部鉱山跡地に建てられており、池ノ平小屋のWebサイトには現在も池ノ平小屋の付近には、当時の石垣や部品や坑道が残されていると書かれています。また池ノ平小屋で使用されている五右衛門風呂は小黒部鉱山の時から使われているようです。

イタイイタイ病

富山県の神通川流域は神岡鉱山の鉱毒によるイタイイタイ病の発生地でもあります。
神岡鉱山自体は岐阜県に有りますが、神岡鉱山の鉱山廃水は神通川を流れたため、下流域にあたる富山県富山市などで大きな被害が発生しました。

銅・鉛・亜鉛が採掘された鉱山

鉢岳鉱山(黒部鉱山) 富山県下新川郡宇奈月町
鉢ヶ岳西山腹に位置し、蛇紋岩中に鉱脈があり主な鉱脈は3本。
黄鉄鉱、磁硫鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱、石英などが産出しました。

内山鉱山 富山県下新川郡宇奈月町(旧内山村)音沢
北日本鉱業株式会社により稼行された鉱山です。
鉱脈と塊状の鉱床から、黄銅鉱や石英の鉱石を採掘し、銅だけでなく金も産出していました。

白萩鉱山(下田鉱山) 富山県下新川郡宇奈月町(旧白萩村)字下田
木下清蔵氏により稼行された鉱山。
黄銅鉱、黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、石英などの鉱石を採掘し、銅、金、銀、亜鉛などを産出しました。

亀ヶ谷鉱山(笹尾鉱山・亀谷鉱山) 富山県上新川郡大山町(旧大山村)亀谷
1500年ごろに発見されたとされる鉱山で、大正3年から昭和5年の頃に最盛期となりました。
坑口は53あり、坑道の総延長は5800メートル、大正13年の年間生産量は1729トンの亜鉛を生産した記録が残っています。

進日本鉱山 富山県上新川郡大山町(旧大山村)
薬師岳の東斜面に位置し、植木敏郎氏により稼行された鉱山です。
閃亜鉛鉱、方鉛鉱、黄鉄鉱、黄銅鉱、磁硫鉄鉱、石英などの鉱石を採掘していました。

長棟鉱山 富山県上新川郡大山町(旧福沢村)長棟
三井金属鉱業株式会社により稼行された鉱山ですが、1956年時点で休山と記録に有ります。
鉛や亜鉛を生産していました。

庵谷鉱山 富山県婦負郡細入村庵谷
礫岩中の鉱脈から閃亜鉛鉱、黄鉄鉱、硫砒鉄鉱、輝銀鉱、含銀四面銅鉱などを採掘していました。
銀鉱石の品位は、1トンあたり1,100gとの記録もあります。

田向鉱山 富山県東礪波郡平村田向
鉱脈から黄鉄鉱、黄銅鉱、石英を採掘していました。
含銅低しとの記録が有ります。

大宝鉱山 富山県東礪波郡上平村・平村
成田宝水氏により稼行された鉱山です。
黄銅鉱、斑銅鉱、孔雀石、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、石英、柘榴石、緑簾石などを採掘していました。
銅の品位は1.63~8.49%の記録が有ります。

刀利鉱山 富山県東礪波郡福光町(旧太美山村)刀利、下小屋
市橋与四郎氏により稼行された鉱山です。
石灰岩中の石英脈から、輝銀鉱、黄鉄鉱、硫砒鉄鉱、方鉛鉱、石英を採掘していました。金と銀も採掘さえた記録が有ります。

大黒鉱山 富山県黒部市宇奈月町餓鬼谷
銅鉱石を採掘していた鉱山。

鉢鉱山 富山県魚津市鉢金山(かなやま)
輝銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱などを採掘していた鉱山。

松倉鉱山 富山県魚津市松倉(虎谷)
黄銅鉱、輝銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱などを採掘していた鉱山。

片掛鉱山 富山県富山市庵谷
黄鉄鉱,含銀四面鉄鉱,輝銀鉱,閃亜鉛鉱,磁硫鉄鉱などを採掘していた鉱山。

吉野鉱山 富山県富山市庵谷
黄鉄鉱,含銀四面鉄鉱,輝銀鉱,閃亜鉛鉱,磁硫鉄鉱などを採掘していた鉱山。

河原波鉱山(河原波金山)  富山県魚津市河原波(かわらなみ)
輝銅鉱,石英,閃亜鉛鉱,方鉛鉱などを採掘していた鉱山。

鉄が採掘された鉱山

大日鉱山 富山県中新川郡立山村
戦時中に磁鉄鉱を採掘していたようでが、詳細は不明。

大山鉱山 富山県上新川郡大山村
戦時中に磁鉄鉱お黄銅鉱を採掘していたようでが、詳細は不明。
鉄の品位は20%以下であまり良くはなかったようです。

黒岳鉱山 富山県富山市水晶岳
富山市水晶岳頂上付近にある鉱山で、スカルン鉱床が有り、鉄鉱石などを採掘していた鉱山。

加賀沢鉱山 富山県上新川郡加賀沢村
磁鉄鉱、磁硫鉄鉱などを採掘していた鉱山。
付近の大高山頂にも磁鉄鉱などを採掘していた鉱山が有ったとされる。

モリブデンが採掘された鉱山

高滝鉱山 富山県下新川郡内山村高滝
1943年より稼行していた、輝水鉛鉱を採掘していた鉱山です。
鉱石の品位は平均0.2~0.5%との事。

内山鉱山 富山県下新川郡宇奈月サンナキ谷内山村間
1943年より稼行していた、輝水鉛鉱を採掘していた鉱山です。
石灰岩と花崗岩との接触鉱床で、鉱石の品位は平均0.2との事。
柘榴石を伴うことも有ったと記録が有ります。

小黒部鉱山(富山鉱山) 富山県下新川郡内山村池の平山

剣岳の東北に接する池ノ平山を中心とした一帯に有るモリブデン鉱山で、標高は2000~2300メートルの高地に位置します。

小黒部鉱山は大正初期に音沢氏により発見されたとされ、大正期に休山を挟んで幾度か稼行し、昭和16年ごろから採掘が行われましたが昭和21年に休山、その後昭和26年5月からも採掘が行われましたがあまり長続きせず閉山に至ったようです。

鉱山事務所は登山小屋と隣り合わせに立っており、当初資材や採掘した鉱物は人力で運搬していましたが、後に索道を敷設し運搬を行うようになりました。

大東鉱山 富山県上新川郡大山村水晶岳西麓
大東鉱業株式会社により稼行された鉱山で、輝水鉛鉱を採掘していました。
1943年から稼行され1951年時点では操業していたとの事。

桂鉱山 富山県東礪波郡上平村桂
1943年から小規模に稼行された鉱山で、輝水鉛鉱を採掘していました。
鉱石の品位は0.2~0.5%との記録が有ります。

タングステンが採掘された鉱山

小黒部鉱山 富山県下新川郡内山村池の平の山
主にモリブデンを採掘していた鉱山ですが、タングステンも採取できたようです。
詳細は上記モリブデンの項目にて。

硫黄が採掘された鉱山

立山鉱山 富山県中新川郡立山村室堂付近の弥陀ヶ原
立山鉱業株式会社により稼行された硫黄鉱山です。
火山の旧爆裂火口の硫気噴出孔付近に沈殿した硫黄を採掘していました。

石炭が採掘された鉱山

立山炭鉱 富山県中新川郡立山町芦峅寺地内長尾
立山炭鉱は石炭を採掘していた炭鉱です。
立山炭鉱の地域に無煙炭が存在するのは大正8年頃には知られていたようですが、鉱山として本格的に採掘を始めたのは昭和14年頃と見られています。
最盛期には月に500~1000トンほどの石炭を生産しましたが、昭和24年に休山となりました。(立山博物館の資料より)

その他の鉱山

千野谷黒鉛鉱山(千野谷鉱山) 富山県富山市小原
明治から昭和にかけて黒鉛や石墨を採掘していた鉱山。

蟹寺鉱山 富山県婦負郡細入村蟹寺(富山市蟹寺)
石墨などを採掘していた。

内名鉱山  富山県婦負郡八変町大長谷,内名
石墨などを採掘していた。

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