山梨県の鉱山一覧について
このページでは山梨県の鉱山一覧についてまとめています。
鉱山の名称については書籍などに記載されているものを使用し、住所についてもその記載時の地名を用いています。そのため現在の住所とは違う場合が有ります。
鉱山についても鉱物が採掘された情報を元に記載をしているので、複数の鉱物が採掘されていた場合は複数の鉱物の項目で同じ鉱山が記載されている場合が有ります。また主に採掘されていた鉱物以外としても記載されている場合が有ります。
山梨県の鉱山の概要
山梨県は武田氏の本拠地であり、武田氏はその財政を支えるために多くの金山の開発を行っていました。主な金山には湯之奥金山や黒川金山などがあります。
また、山梨県は水晶の山地でもあり乙女鉱山などが知られています。
湯之奥金山
湯之奥金山は山梨県南巨摩郡身延町湯之奥に有った金山で、戦国時代から江戸時代にかけて採掘が行われていたとされています。
当初は武田氏やその一族である穴山氏が金山を経営に携わっていたようで、後に甲斐を支配した徳川家康の手に渡りました。
湯之奥金山は3ヶ所の鉱山(中山金山、内山金山、茅小屋金山)の総称です。また同じ金鉱脈を静岡側から掘った鉱山に富士金山が有ります。
黒川金山
黒川金山は山梨県甲州市塩山上萩原にある金鉱山で、戦国時代から江戸時代にかけて採掘が行われていたとされています。
「黒川千軒」の言い伝えも残っており、最盛期の黒川鉱山の周辺には多くの人が住み、鉱山と共に発展していた様子が伺えます。
黒川鉱山の遺跡調査が行われた際には上下600m、幅300mの規模で、坑口や精錬所跡などが発掘され、1997年には「甲斐金山遺跡」として中山金山とともに国の史跡に指定されました。
乙女鉱山
乙女鉱山は山梨県山梨市に有った鉱山で、タングステンや石英(水晶)が取れました。乙女鉱山の石英は品質が良かったことから、光学ガラスなどに使用されていました。
乙女鉱山の名称は、採掘された鉱物を運ぶのが若い女性の仕事だったからと言われています。
金・銀が採掘された鉱山
宝鉱山 山梨県都留市(旧宝村)高畑
三菱金属鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
明治5年に発見されたとの事。
1953年には月に110トンの鉱石を採掘した。
品位は金が1トン当たり1.6グラム、銀が1トン当たり148グラム。
鈴庫鉱山 山梨県東山梨郡塩山市(旧松里村・旧玉宮村)
1950年に宮部武雄氏により発見された鉱山。
1955年時点では休山中。
本栖鉱山(川尻鉱山) 山梨県西八代郡古関村川尻
第一鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
1953年時点で月に35トンの鉱石を採掘していた。
1954年時点では稼行中との記録が有る。
第一妙法鉱山 山梨県西八代郡下部町(旧富里村市ノ瀬)
妙法鉱山株式会社により稼行されていた鉱山。
1953年時点で月に85トンの鉱石を採掘した。
湯ノ奥鉱山(中山鉱山) 山梨県西八代郡下部町(旧富里村湯ノ奥)
武田信玄時代に稼されたとの記録が有る。
1953年時点で地下資源開発株式会社が探鉱中。
芦安鉱山 山梨県中巨摩郡芦安村
大正鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
1953年時点で探鉱中。従業員は10名。
甲永鉱山 山梨県中巨摩郡硯島村雨畑
岩切重雄氏により稼行されていた鉱山。
茂倉鉱山 山梨県南巨摩郡三里村大野原茂倉
土肥鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
金の品位が1トン当たり22グラム、銀は1トン当たり250グラムの記録が有る。
1954年時点では主に石膏を採掘していた。
三里鉱山 山梨県南巨摩郡三里村茂倉
1955年時点で休山。
銅・鉛・亜鉛が採掘された鉱山
朝日小沢鉱山 山梨県大月市(旧猿橋町)朝日小沢
中央線の猿橋駅南方3キロに位置した。
黄銅鉱、黄鉄鉱、石英、緑泥石などを産出。
都留鉱山 山梨県大月市(旧賑岡村)西奥、小杉沼
中央線大月駅の西方6キロに位置した。
黄銅鉱などを産出。
笹子鉱山 山梨県大月市(旧笹原村)白野・初狩野
中央線初狩駅の西方4キロの日影あるいはカマド渓の上流300メートルに位置した。
黄銅鉱などを産出。
禾生鉱山 山梨県都留市(旧禾生村)
黄銅鉱、黄鉄鉱、石英などを採掘し、品位は銅が5~9%。
鹿留鉱山 山梨県都留市(旧東桂村)鹿留
黄銅鉱、赤鉄鉱、石英などが産出。
宝鉱山 山梨県都留市(旧宝村)
三菱金属鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
1951年時点で硫化鉄を年間20,431トン、亜鉛鉱を1,690トン産出した。
金山鉱山 山梨県南都留郡秋山村金山・旧巌村千足
三輪秀文氏により稼行されていた鉱山。
1955年時点で探鉱中。
興輝鉱山 山梨県東山梨郡牧丘町
上田喜作氏により稼行されていた鉱山。
万福鉱山 山梨県西八代郡古関村根子
和県義忠氏により稼行されていた鉱山。
1951年時点で95トンの出鉱量が有った。
本栖鉱山(川尻鉱山) 山梨県西八代郡古関村川尻
第一鉱業株式会社により稼行されていた鉱山。
五老峯鉱山 山梨県西八代郡下部町(旧富里村)
黄銅鉱、黄鉄鉱、石英などが産出した。
湯ノ奥鉱山 山梨県西八代郡下部町湯ノ奥
銅の品位4~6%、亜鉛の品位15~20%の記録が有る。
妙法鉱山 山梨県西八代郡下部町市ノ瀬
妙法鉱山株式会社により稼行されていた鉱山。
1951年の出鉱量は1,615トンの記録が有る。
下部鉱山 山梨県西八代郡下部町湯ノ奥、広野、中野、中山、常葉
金山として稼行していた鉱山。
上部の酸化耐では銅の品位が4.66%有った。
富里鉱山 山梨県西八代郡下部町・古関村
黄銅鉱や孔雀石を採掘していた。
不二鉱山 山梨県北巨摩郡鳳来村下教来石
河西世界氏により稼行されていた鉱山。
銅の品位は2%。
増富鉱山 山梨県北巨摩郡増冨村金山
増冨鉱山株式会社により稼行されていた鉱山。
銅の平均品位は6%。
玉鉱山 山梨県北巨摩郡増冨村小尾・増富
児玉誉士夫氏により稼行されていた鉱山。
銅の品位が3~4%、亜鉛の品位が8~10%。
御座石鉱山(湯ノ沢鉱山) 山梨県北巨摩郡円野村
小天英勝氏により稼行されていた鉱山。
山元で製錬もしたことがあるとんの記録。
芦安鉱山 山梨県中巨摩郡芦安村
大正鉱林業株式会社により稼行されていた鉱山。
1955年時点で稼行準備中との記録有り。
茂倉鉱山(三里鉱山) 山梨県南巨摩郡三里村大野原・茂倉
身延線甲斐常葉駅から西方25キロ。新倉の北方2キロに位置している。
新倉鉱山 山梨県南巨摩郡三里村新倉・都川村
銅の品位5%。
黄銅鉱、黄鉄鉱、石英を採掘していた。
太生鉱山 山梨県南巨摩郡身延町(旧豊岡村)奥
輝銅鉱、孔雀石、方解石が主な鉱石。
規模は貧弱で、銅の品位は平均3.7%。
鉄が採掘された鉱山
猿橋鉱山 山梨県北都留郡富浜村
猿橋駅東1キロに位置した砂鉄鉱床。
磁鉄鉱を主としており、品位は48%
1954年時点で休山。
金峯鉱山 山梨県南都留郡西桂町
磁鉄鉱を主とした砂鉄鉱床。
品位は33~35%で戦時中稼行していたとの記録。
マンガンが採掘された鉱山
落合鉱山 山梨県中巨摩郡落合村湯沢
酸化マンガン鉱で日には30%。
1939年から1950年にかけて1242トン産出したとの記録が有る。
金山鉱山 山梨県中巨摩郡平林村
増穂鉱山 山梨県南巨摩郡増穂村
小室鉱山 山梨県南巨摩郡増穂村
鰍沢鉱山 山梨県南巨摩郡鰍沢町
酸化マンガン鉱で品位は35%。
1939年にマンガン80トンを生産した。
七面鉱山 山梨県南巨摩郡穂積村
穂積鉱山 山梨県南巨摩郡穂積村
山岸鉱山 山梨県南巨摩郡五開村箱原
下部鉱山(草間鉱山) 山梨県西八代郡富里村
富里鉱山 山梨県西八代郡富里村湯の奥
金川勝治氏により稼行されていた鉱山。
1951年にマンガン57トンを生産した記録有。
モリブデンが採掘された鉱山
乙女倉沢鉱山(鳳鉱山) 山梨県中巨摩郡宮本村および東山梨郡西保村
花崗岩中のペグマタイト質石英脈から、輝水鉛鉱を採掘していた。
大正前半に重石鉱山として稼行していた記録が有る。
金万寿鉱山 山梨県北巨摩郡菅原村
花崗岩中の鉄マンガン重石を伴う石英脈から、輝水鉛鉱を採掘していた。
大正前半に重石鉱山として稼行していた記録が有る。
日影鉱山 山梨県東山梨郡大和村
花崗岩中の鉱染鉱床から、輝水鉛鉱を採掘していた。
大正前半に一時期稼行されていた鉱山。
タングステンが採掘された鉱山
逆川鉱山 山梨県東山梨郡神金村逆川
花崗岩中の石英脈から石英や灰重石を採掘していた。
倉沢鉱山 山梨県西保村倉沢
水晶鉱山として知られており、大正年間にはタングステン鉱山としても稼行されていた鉱山
鳳鉱山 山梨県西山梨郡宮本村
水晶鉱山として知られている鉱山。
1915年から18年にかけて、14.3トンのタングステンを生産した。
乙女鉱山 山梨県西山梨郡宮本村乙女坂
水晶鉱山として知られている鉱山。
金満寿鉱山 山梨県北巨摩郡菅原村
1916年から19年にかけて、15トンのタングステンを生産した。
絹雲母(セリサイト)が採掘された鉱山
鳳来鉱山 山梨県北巨摩郡鳳来寺村
蛭石(バーミキュライト)が採掘された鉱山
鉱山名不明 山梨県東山梨郡初鹿野
鉱山名不明 山梨県南巨摩郡美延山付近
他の鉱床の副産物としての砒素が採掘された鉱山
鈴庫鉱山 山梨県東山梨郡玉宮村
硫黄が採掘された鉱山
金峰鉱泉 山梨県東山梨郡西保村
硫化鉄が採掘された鉱山
宝鉱山 山梨県南津留郡宝村
万福鉱山 山梨県西八代郡古関村
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