山宝鉱山(岡山県)

山宝鉱山は岡山県川上郡川上村大字領家一ノ谷にあり、伯備線備中高梁の西方15kmに位置しています。

1976年に日本産新鉱物のソーダ魚眼石が見つかった事でも知られています。

山宝鉱山の概要

山宝鉱山は当初は銅鉱山として稼行をしていましたが、後に発見された新鉱体が銅よりも鉄と多く含んでいた事から、昭和22年9月より主として鉄鉱を採掘する鉱山となりました。
採掘した鉄鉱石は全て日本鋼管株式会社に出荷し、銅の含有が多い鉱石は鉱山にズリとして貯蔵していました。

昭和30年夏からズリ鉱石を日比製錬所のトラックミルにて選鉱を行っている。
また、このズリの鉱石の処理の為、昭和30年度の通産省及び県の設備近代化融資を受け、処理施設を作り昭和31年から稼働となった。

昭和31年には岡山県庁の調査により、吉木坑道の花崗岩中の銅鉱脈から放射能異常が見つかる。調査の結果ウランのケイ酸塩鉱物が含まれる部分が発見されている。
この頃の鉱山の情報は鉱区番号が岡山県採掘432号、鉱種が金・銀・銅・鉛・亜鉛・鉄・タングステン・ウランとなっている。

山宝鉱山の鉱床はスカルン型磁鉄鉱鉱床で、スカルン鉱物には柘榴石、方解石、蛍石、灰鉄輝石、陽起石、珪灰鉄鉱、直閃石、緑簾石。金属鉱物には磁鉄鉱、黄鉄鉱、硫砒鉄鉱、磁硫鉄鉱、黄銅鉱などが見られます。

鉱床の形状は塊状及び、曲がった筒状に近い不規則な形状。
本鉱床は10m×30m×500m以上の程度で、他に3つほど別の鉱床が存在している。

鉱床の特徴として柘榴石中には黄銅鉱のスカルン、磁鉄鉱の鉱染が多く磁鉄鉱は余り混ざらない。磁鉄鉱と方解石は混ざって産出するが、柘榴石スカルンには余り混ざる事がない。磁硫鉄鉱の出る所には灰鉄輝石が極めて多く、磁鉄鉱は見れず。逆に柘榴石スカルンの部分には磁硫鉄鉱が見られない。

昭和35年までの坑道総延長は4200m。
昭和35年までの総産出金属量は鉄が54,000t、銅が345t。
この頃は銅精鉱を同和鉱業株式会社の岡山製錬所に、鉄精鉱は尼崎製鉄株式会社に出荷していた。

露頭は含銅柘榴石スカルンが岩脈の間に数か所露出している。
露頭からの開発深度は垂直で170m。

山宝鉱山の歴史

山宝鉱山の発見時代は不明
昭和14年(1939年)7月に白山鉱業糸永文吉氏が探鉱を行う。
昭和15年(1940年)から昭和20年(1945年)この頃に、銅の品位3~6%の柘榴石スカルンを60t貯鉱したが売鉱には至らず。
昭和22年(1947年)大内義雄氏の所有となり後に山新鉱業を設立する。
昭和27年(1952年)山新鉱業が操業を行う
昭和29年(1954年)銅鉱石の採掘から主として鉄鉱の採掘に移行する。
昭和31年(1956年)20t/日の貯鉱場と浮遊選鉱場が完成する
昭和31年(1956年)岡山県庁の調査により、吉木坑道で放射能異常が見つかる。
昭和33年(1958年)金平鉱業の経営になる。

参考資料『日本の鉱床総覧』『岡山県商工要覧 1956』『日本におけるウランの産状 その1 (地質調査所報告 ; 第190号)』『未利用鉄資源 第7輯(1959)』

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